禅と陽明学 上
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Narrado por:
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弦徳
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De:
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安岡 正篤
Acerca de este título
人生にどう活かすか
禅の六祖・慧能(えのう)が懇々と教えている大事な要点は、佛というものは決して人間を超越した存在ではない、ということである。信仰者は佛を超越的存在に持ってゆきたがるが、佛というものは、自身、吾、心、衆生を離れては決して存在しない。
一方、儒教は、どこまでも人間と現実に徹して、情熱をもってこれを改めてゆこうとするもので、必ずしもその成功を求めない。良心、真理、道を旨とし、実践に徹してゆこうとするのがその真面目である。
儒教、道教、佛教は違うというけれども、世間一般に言うような差異ではない。儒教でも、「命(めい)に従う」とか「運を啓(ひら)く」というような問題になれば、浄土門の佛にすがるというのと同工異曲である。だから現れる形は違っても、少し奥へ入れば真理は一つ。諸教は帰するところみな同じである。
●収録内容
第一章 禅の先駆「ヨーガ」
第二章 釈迦が徹見したダルマ〈法〉
第三章 大乗と小乗││「大学」と「小学」
第四章 佛教と老荘思想
第五章 梁の武帝の狂信
第六章 達磨の正覚││二入四行論
第七章 禅と老荘
第八章 木鷄と木猫││禅の要諦
第九章 東洋文化の本源││「天」の思想
第十章 末法の世の民衆佛教││三階級と地蔵信仰
第十一章 儒教の真精神││隋の文中子
第十二章 達磨正伝の禅風〈I〉
第十三章 達磨正伝の禅風〈II〉
第十四章 禅と則天武后
第十五章 六祖慧能の禅
第十六章 禅の真髄││百丈懐海
諸教は帰するところみな同じ
安岡正篤(やすおか・まさひろ)
明治31年(1898)、大阪市生まれ。
大阪府立四條畷中学、第一高等学校を経て、大正11年、東京帝国大学法学部政治学科卒業。東洋政治哲学・人物学の権威。既に二十代後半から陽明学者として政財界、陸海軍関係者に広く知られ、昭和2年に(財)金鶏学院、同6年に日本農士学校を創立、東洋思想の研究と後進の育成に従事。戦後、昭和24年に師友会を設立、政財界リーダーの啓発・教化につとめ歴代首相より諮問を受く。58年12月逝去。
〈主要著書〉「支那思想及び人物講話」(大正10年)、「王陽明研究」(同11)、「日本精神の研究」(同13)、「東洋倫理概論」「東洋政治哲学」「童心残筆」「漢詩読本」「経世瑣言」「世界の旅」「老荘思想」「政治家と実践哲学」「新編百朝集」「易学入門」
〈講義・講演録〉「朝の論語」「活学1~3」「東洋思想十講」「三国志と人間学」「運命を創る」「運命を開く」ほか。(c)2016 Msahiro Yasuoka