夢殿
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Narrado por:
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中村 華奈
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De:
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楠山 正雄
Acerca de este título
外国から伝わって来た時分のお話でございます。
第31代の天子さまを用明天皇と申し上げました。
この天皇がまだ皇太子でおいでになった時分、
お妃の穴太部の真人の皇女という方が、ある晩、
ご覧になったお夢の中で、体じゅうからきらきら
金色の光を放って、なんともいえない貴い様子をした
坊さんが現れて、お妃に向かってこう言ったのでした。
「わたしは人間の苦しみを救って、この世の中を
善くしてやりたいと思って、はるばる西の方から
やって来た者です。しばらくの間、あなたの
お腹を借りたいと思います」
と言うが早いか、その坊さんは踊り上がって、お妃の
思わず開けた口の中へぽんと跳び込んでしまいました…。
と、そこでお夢はさめました。
お妃はなんだか妙なお気持ちでしたが、
やがてお身重におなりになりました。
...。o○
さて翌年の正月元日の朝、お妃はいつものように御殿の中を歩きながら、
お厩の戸口までいらっしゃいますと、にわかにお産気がついて、そこで
美しい男の御子をお生みおとしになりました。召使いの女官たちは大騒ぎして、
生まれたばかりの皇子を抱いて御産屋へお連れしますと、御殿の中は急に
金色の光でかっと明るくなりました。そして皇子のお体からは、
それはそれはなんとも不思議なかんばしい香りがぷんぷん立ちました。
お厩の戸の前でお生まれになったというので、
皇子のお名を 厩戸皇子と申し上げました。
のちに皇太子になり、聖徳太子と申し上げるのは この皇子のことでございます。
※ 本作品は発表時の時代背景により、今日の社会では一般的でなく、
不適切と思われる表現が含まれている箇所がございます。しかし作品の
オリジナル性を最大限に尊重し、当時のまま忠実に再現することを優先いたしました。
Pan Rolling, Inc.