実説 城谷怪談 撰集 九十
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Narrado por:
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城谷 歩
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De:
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城谷 歩
Acerca de este título
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、
ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、
更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「霊の棲む家」(24分)
体験者であるヤスミさんのご主人は小さいころから、強い霊感体質の持ち主である。
霊感の強い人の傍にいると影響を受けてそれまで霊感のなかった人が急に見えなかったものを見るようになったり、
感じるようになったりするケースがあるが、ヤスミさんもその一人のようで……。
ある時親戚の叔母一家が家族で引っ越しを考えているのだがと連絡をよこした。
東京に暮らしていた叔母家族だが田舎暮らしがしたいとのことで
静岡県に住んでいるヤスミさんのいる近くの町にいい物件を見つけたという。
そのことを聞いたヤスミさんのご主人は何かを感じ取って二人でその家を見に行ったのだが。
「赤い月夜と女の子」(22分)
Nさんがまだ高校生の時の事。
その日は文化祭の打ち上げと称して仲のいいクラスメートと数人、
ファミリーレストランで盛り上がった。
夢中でおしゃべりをして、解散になって店を出ると外はとうに日が暮れて宵闇に包まれていたが、
空に上がった月を見てハッとした。
異様なほどにその月の色が赤いのである。
自転車にまたがり友人と「珍しい月だね」と話したことも記憶に鮮明であった。
やがて友人とも別れ、一人車の往来の激しい車道沿いを自転車で走っていたが、
もう一度あの赤い月をゆっくり見てみたいと思い、わき道にそれて自転車を停めた。
「押し入れに潜む 前編」(19分)
かなこさんの伯父はかつて某都市部の刑事部参事官を務めていた人物である。
今から二十年ほど前に親族が一堂に会した時に伯父からある話を教えてもらった。
伯父が退職してそれほど経たないころ、ゴルフに出かけて運悪く骨折してしまい入院したことがあった。
この時、当時すでにある地域で警察署長をしていたかつての部下がお見舞いに来た時に
管轄の派出所から上がってきた報告書について神妙な顔で話し出した。
報告書は近隣のアパートの住人から寄せられた「アパートの部屋に幽霊が出る」という苦情であった。
本来警察の仕事ではないのだが相談があった以上確認せねばならず、
半信半疑アパートに聴取に行ったという。
「押し入れに潜む 後編」(19分)
聴取してみると出るわ出るわ、どの部屋の住人からも「幽霊」の目撃談や、
不安の声がどんどん出てきたという。 ある部屋の住人は深夜自室の押し入れから幽霊が現れるというし、
その部屋の真上の部屋の住人は風呂に入ると必ず割れるような頭痛に襲われるという。
話を聞きながら伯父は「そのアパートってもしかすると……」
すると部下が「そうです。あのアパートです。遺体なき殺人の……」
実は問題のアパートというのはかつて、伯父がまだ刑事部捜査一課にいたころに起こった異例中の異例、
遺体なき殺人事件の現場であったのだった。©2022 Wataru Shirotani